研究紹介

RESEARCH

マイクロビームMEMS センサによる極微量サンプルの熱伝導率測定法

わずか1μl 程度の試料で熱伝導率の測定が可能な新しい測定法とそれに用いるMEMS センサの開発を行っています.考案したセンサによって流体の熱伝導率や薄膜の面方向熱伝導率の測定が可能であることを実証しました.さらに,液体1 滴を対象とした計測やアレルギーセンサーへの応用を目指しています.
(写真:MEMSセンサの電子顕微鏡写真)

MEMS 技術を利用したグラフェンの熱輸送性質の測定と応用技術の開発

グラフェンは熱伝導率や電気伝導率が桁違いに大きいため,種々のデバイへの応用が期待されている新材料です.当研究室では,MEMS 技術を利用して単層グラフェンを作成し,ラマン分光を用いて熱伝導率を測定する手法を確立しました.今後は,タンパク質や遺伝子配列の特定に用いるバイオセンサなどにこの単層グラフェンを応用することを目指しています.
(写真:MEMS センサ上の単層グラフェンの電子顕微鏡写真)

レーザスキャニングサーモグラフィによる熱輸送性質の非接触測定

レーザスキャニングサーモグラフィは,生体表面にレーザー光を走査しながらその温度変化を赤外線カメラで実時間計測し,生体内部の熱輸送に関する情報を可視化するという全く新しい方法です.本研究では,熱輸送特性を捉えることによって腫瘍や炎症反応の空間分布を非接触検査する新しい医療診断法を確立するために,数値シミュレーションと実験を行っています.
(写真:レーザ走査のイメージ図)

凍結手術支援を目的としたクライオプローブまわりの生体の凍結

凍結手術は先端のみが冷却されるクライオプローブを組織や臓器に穿刺して,癌などの組織を凍結壊死させる手術法です.凍結領域と温度分布を予測するために,クライオプローブの冷却特性を実験的に明らかにするとともに,シミュレーションプログラムの開発を行っています.
(写真:クライオプローブでゼラチンを凍結させた様子)

分子動力学シミュレーションを用いた凍結保存の最適化に関する研究

細胞や組織の凍結保存法は生物学や医学分野において重要な技術ですが,大きな組織の凍結保存法はまだ確立されていません.そこで,ナノスケールの分子シミュレーションを利用して,凍結の基本物理や水-氷-細胞の相互作用などを明らかにすることによって,凍結保存技術の向上と最適化を図る研究を行っています.
(写真:氷の分子シミュレーション)

不可逆エレクトロポレーションを用いた細胞膜電壊療法の開発

細胞に対して電気パルスを与えると細胞膜に細孔が生じます.電気パルスの印加条件を適切に選べば,周囲の細胞外基質にジュール発熱による熱的損傷を与えることなく細胞だけを壊死させることができます.この現象を利用したガンの新しい低侵襲手術法を確立するため,三次元電気伝導・熱伝導解析や実験を行っています.
(写真:電気パルス印加によって電極周囲で壊死した細胞(赤色))

傾斜材料特性を有する腱-骨付着部のラマンイメージング計測

腱-骨付着部は,コラーゲン線維からなる腱組織が線維軟骨,石灰化線維軟骨を経て骨へ移行する4層構造をなしていますが,外傷によって断裂した付着部を再建してもこのように複雑な構造は再生できません.正常付着部の再建を実現するために,ラマンイメージングを用いて正常組織と再建組織の構成成分の分布や傾斜材料特性の違いを調べています.
(写真:腱-骨付着部のミネラル成分のイメージング)

力学的刺激による骨の健康増進に関する研究

圧縮・伸張や振動などの力学的刺激は細胞に感知されて生体反応を惹起させるだけでなく,生体組織内の物質輸送を促進して栄養の供給や老廃物の除去に貢献します.このような力学的刺激を骨の健康維持に利用したり,生体組織再生へ応用したりする方法について研究を行っています.
(写真:骨粗鬆症マウス脛骨(左)と振動刺激を与えた同マウス脛骨(右)の内部構造)

細胞培養法を革新する新規培養システムに関する研究

動物細胞の無菌培養法が開発されて約100年,タンパク質分解酵素を用いた継代培養が行われるようになって約50年が経ちます.以来,世界中の研究室で単調な継代培養がルーチンワークになっています.この継代培養の工程要素の抽出やデザイニングを通して,単純ながらも面倒な細胞培養を支援するための新規培養システムの開発を目指します.
(写真:組み立て式細胞伸展装置の部品)