精密加工学研究室
Precision Machining Laboratory

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研究内容

高精度計測・評価

テーマ

歯車の負荷時かみ合い伝達誤差に関する研究

歯車とは,大トルクの伝達や高効率の減速を行う機械要素であり,これらが要求される,船,工作機械,建機,自動車など,我々の身の回りで多く用いられています.特に自動車業界においては,ハイブリットカーの普及や燃料電池自動車の発展によるエンジン音の消失や,ユーザーの高級志向による自動車に対する低騒音,低振動,すなわち快適性の向上が求められています.このため,自動車の駆動系に用いられる歯車に対してもよりいっそうの静粛性が求められてきているのが現状です.
歯車の振動・騒音の発生の根本的な原因は,歯車対が滑らかなかみ合いを行っていないことにあります.このため,滑らかなかみ合いを評価する最もわかりやすい方法は,直接,入出力軸の回転角を測定することであり,この入力側である駆動歯車の回転角に対する,出力側である被動歯車の回転角の誤差をかみ合い伝達誤差といいます.本研究室では,最高分解能が0.072"(歯面法線方向長さに換算して20nm)である超高分解能のロータリエンコーダを用いたかみ合い伝達誤差の高精度測定(図1参照)と測定をもととしたかみ合い伝達誤差のシミュレーションを行っています.また,この超高分解能のロータリエンコーダは,測定器の取り付けによる影響をキャンセルできる仕組みとなっているため,歯車の取り付け時の組立誤差(偏心)がかみ合い伝達誤差に与える影響についても調査することが可能です.このように大きく二つの特色を持つ測定器によるかみ合い伝達誤差の測定を通じて,歯車の振動・騒音の根本原因を調査し,歯車の振動・騒音を低減することを大きな目的としています.

超高分解能のロータリエンコーダを用いた高精度測定
Fig.1 超高分解能のロータリエンコーダを用いた高精度測定

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