ナノカーボン材料による相変化材料の熱輸送制御
相変化材料(PCM:Phase Change Material)はエネルギー蓄熱材として注目されており,その熱物性を制御することが課題となっています.これまでナノカーボン(カーボンナノチューブやグラフェン)を添加することによって,材料の熱物性を制御する試みが行われ,ナノカーボンを添加することにより熱伝導率が向上した研究例が報告されていますが,材料におけるナノ構造と熱輸送機構の因果関係が未解明なため,効率的にナノ構造を設計・創製することによる熱輸送の制御には至っていません.本研究では,材料のナノ構造制御による熱輸送制御の観点から,材料のナノ構造デザインによる炭素系複合材料(ナノカーボンが添加されたPCM)の熱輸送制御を実際の材料設計技術として高度化し,最終的には材料のナノ構造を設計・制御することによる熱輸送制御を目指しています.
相変化材料の融解・凝固過程の環境SEM映像 映像では固相→液相→固相と変化しています. 材料の微細構造が熱物性に影響することが分かっています. |
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同じナノカーボンでも,熱伝導率向上効果が異なります. 材料の構造やナノカーボンとPCMの界面熱抵抗が関係していると 考えられます. |