熱物理工学研究室
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固体表面に衝突する微小液滴の挙動と相変化伝熱

 鋼板製造プロセスにてその品質を左右する重要な技術に冷却技術が挙げられます.冷却では主として水が冷媒に用いられており(スプレー冷却),重要な課題として鋼板温度の均一性の確保など高精度冷却があります.現在鉄鋼会社を中心として冷却技術の向上が計られていますが,本研究では温度制御の向上ニーズへの対応から,冷却現象の基本に立ち返り,温度計算モデルの精度を左右する熱伝達係数の高精度化などを目指しています.具体的には高温面に衝突する微小な液滴の蒸発過程に着目し,冷却対象物の表面性状(濡れ性・粗さ・酸化皮膜)や液滴の径や衝突速度が蒸発過程に及ぼす影響の把握に取り組んでいます.

(機械工学部門・熱流体物理研究室:高田保之先生との共同研究)

   

実験装置

液滴サイズと射出速度を独立に制御し,

表面衝突時の挙動観察,伝熱計測を行います.

高温固体表面での液滴衝突

表面:200 °C,傾斜角:45 °C,粗さ:Ra 0.04

液滴:速度2.5 m/s,液滴直径:500 mm

伝熱計測実験装置
   

固体表面の濡れ性が液滴の挙動に及ぼす影響

濡れ性が液滴の挙動に大きな影響を及ぼします.

表面温度:200 °C ,液滴直径:2.4 mm

左:鏡面仕上げした面,右:酸化チタンで親水化した面