2022年度JKA補助事業成果報告
(2022M-290)機械伸展下における細胞内活性タンパク質計測システムの開発

補助事業者名:工藤奨・九州大学 大学院工学研究院 機械工学部門 生体機能工学研究室

1. 研究の概要

ガン促進物質とガン抑制物質に関して,細胞が伸展・収縮などの力学的な刺激をうけた場合の応答を計測するシステムを開発した.開発システムにより,ガン促進物質の計測を行うことが可能となった.また,ガン促進物質,抑制物質のメカニズムを解明するために癌細胞を用いて計測をおこなったところ,ガン細胞と正常細胞で力学的な刺激に対して応答が異なることがわかった.

2. 研究の目的と背景

ガンの増殖や転移をおこなう特定の分子だけを狙い撃ちにする分子標的治療薬は,副作用が少ないことが期待され,細胞増殖に関連するタンパク質を標的として開発が進行中である.しかし,開発薬剤は培養細胞実験でガン阻害効果が高いが,動物実験では効果が出ない問題がある.開発薬剤に関して,細胞実験では化学物質の受容体を起点とした化学刺激活性に重点がおかれてきた.一方,生体内では,組織の硬さ,組織伸展・圧縮等が存在し,これら力学的な要因がガン増殖や転移に影響を及ぼすことが近年報告されはじめてきた.本研究では,ガン組織の力学刺激下の影響を測定するシステムを開発し,ガン促進に関与するタンパク質の活性を調べることで,従来までの化学刺激だけから得た知見とは異なるガン促進メカニズムを明らかにすることを目的とする.

3. 詳細

  • 成果報告書