研究室紹介

どんなことをやっているの?

安全安心な暮らしのために、金属材料の「破壊」を研究しています

豊かで幸福な暮らしを求めて,科学技術は発展しています.しかし,残念ながら事故は無くなりません.特に,原因が材料の破壊である場合には,大きな被害につながる可能性があります.破壊を科学し理解することが大切です.

破壊事故の原因は金属疲労です

破壊事故の8割以上は金属疲労によるものだといわれています.技術が進歩し高度化しても事故はなくなりません.高速列車の転覆事故や飛行機の墜落事故など,事故はむしろ大型化しています.そのため,私たち,材料強度学研究室では,壊れることの理解を目指して研究を行っています.

水素社会の実現に貢献します

九州大学では水素エネルギーシステムの実現に大学をあげて取り組んでいます.私たちは,その実現にとって不可欠な水素ステーションに使われる材料の破壊について研究しています.水素が金属材料中に侵入すると材料の強度や延性が低下するために,重要な研究です.水素の破壊におよぼす影響をしっかりと把握して,水素社会の実現に貢献します.

燃費向上にも貢献します

自動車や航空機などでは燃費向上のために材料の高強度化が求められています.材料の強度を高めれば,使う材料の量を減らして軽くできるからです.しかし,金属材料の強度を高めると延性が低下して,少しの塑性加工で壊れてしまいます.高強度と高延性を両立する材料の開発のために、破壊のメカニズムを研究しています.

自然災害の対策にも貢献します

日本は地震国です.地震による高層ビルの揺れを抑えるための振動吸収ダンパーの一つとして金属製のダンパーが使われています.このダンパーの性能にも金属疲労が重要な要素となっています.破壊を科学して,金属製ダンパーの材料性能を向上させて,地震対策に貢献します.

研究は実験が中心です

研究の対象は金属材料の「変形」と「破壊」です.材料を引っ張り,あるいは疲労させ,強度データの取得や材料ミクロ組織の観察を行います.また,温度の高低や水素の有無など試験環境を変えて,適切な材料評価を行っています.強度データの取得実験のたびに達成感が得られます。

最新の実験装置を使います

実験機器は小さな試験機からダイナミックな装置まで,また観察も光学顕微鏡から走査型電子顕微鏡(SEM)まで幅広く用います.特にSEMを用いて観察する機会が多いので,学生の大半がSEMマスターです.【機械工学部門の学生諸君への注意】3年生の学生実験で使う100年前のねじり試験機や引張試験機は,研究には,使いません.

私たちの願いと挑戦

私たちは「破壊が原因の事故によって悲しむ人を無くしたい」という願いを持って研究をしています.絶対に壊れない材料というものは存在しません.しかし,材料に対する正しい理解と適切な評価によって,事故の起こらない材料をつくることはできると信じています.そのために私たちは日々新しい研究課題に挑戦しています.

集合写真
集合写真
集合写真

 

装置紹介

試験装置

1 MPa水素ガス中疲労試験機(鷺宮製作所)

最高圧力1 MPa,室温 ~ 300℃までの温度範囲の水素ガス環境下で引張試験および疲労試験が可能.荷重容量20 kNおよび50 kNのものをそれぞれ2機導入.

大気中疲労試験機(島津製作所)

大気中における基礎材料データの取得,および高圧水素ガス曝露により水素を内部に包含させた金属材料(水素チャージ材)に関する強度特性の取得を行う.

ねじり疲労試験機TB10(島津製作所)

せん断型き裂進展試験を高速,低コストで行うために開発した試験機.今後,水素チャージ材を対象に試験を行う予定.

高速疲労試験機(鷺宮製作所)

破断繰り返し数が109を超えるような超長寿命域の疲労試験を行う。

恒温槽、ビデオ伸び計付き引張試験機(島津製作所:AUTOGRAPH AGS-X)

さまざまな温度で引張試験を行うことが出来る。使用の際には非接触式のビデオ伸び計を用いる。
容量:10KN  温度範囲:-180~320 ℃

小野式回転曲げ疲労試験機

管理:共通

研究室前身の「材料強弱教室」の小野鑑正名誉教授開発の疲労試験機。試験片の中央部には一定の曲げモーメントが作用する。金属疲労の研究の発展に大きく貢献。現在も疲労の研究に使用。
最大曲げモーメント:100N・m、繰り返し速度:≒150Hz

シャルピー衝撃試験機(東京衡機製造所)

管理:共通

延性-脆性遷移温度の測定
300J、振り上げ角144°

観察、分析装置

光学顕微鏡(キーエンス)

試料の微視組織観察を行う。
小型引張試験機と組み合わせることで、試験をしながらその場観察が可能。
観察倍率:x 100 ~ x 5000

走査型電子顕微鏡(日本電子JEOL)

試料の微視組織観察を行う。
小型疲労試験機と組み合わせることで、試験をしながらその場観察が可能。

EBSD(日本電子)

材料の結晶方位解析,および破壊部近傍の相分布解析等を行う.

TDA

材料を昇温し、脱離した水素量の測定を行うことが出来る。(ガスクロ)

昇温脱離水素分析装置(TDS)

材料を昇温し、脱離した水素量の測定を行うことが出来る。(Q-mass)

微小部X線応力測定装置(リガク:PSPC)

金属試料の残量応力および残留オーステナイトの定量測定

学生実験用試験機

引張試験機(大正元年・モアウントフェダーハッフ製)

管理:共通

開学時の試験装置を箱崎キャンパスより移設。学部3年生の機械工学実験Ⅰ(材料試験)に使用。および研究用材料の強度特性の測定・評価
容量:30ton

ねじり試験機(大正5年・大日本製鉄製)

管理:共通

開学時の試験装置を箱崎キャンパスより移設。学部3年生の機械工学実験Ⅰ(材料試験)に使用。および研究用材料の強度特性の測定・評価

その他

etc.

就職先(修了生,卒業生の進路)

平成28年度 [2016年度]

大学院(修士)

学部

平成27年度 [2015年度]

大学院(博士)

大学院(修士)

学部

平成26年度 [2014年度]

大学院(修士)

学部

平成25年度 [2013年度]

大学院(修士)

学部

平成24年度 [2012年度]

大学院(博士)

大学院(修士)

学部

平成23年度 [2011年度]

大学院(博士)

大学院(修士)

学部

平成22年度 [2010年度] 以前 (過去6年分)

九州電力株式会社、 独立行政法人国立高等専門学校機構佐世保工業高等専門学校、国立研究開発法人産業技術総合研究所、シャープ株式会社、新日鐵住金ステンレス株式会社、公益財団法人水素エネルギー製品研究試験センター、住友電気工業株式会社、全日本空輸株式会社、ダイハツ九州株式会社、株式会社デンソー、株式会社東芝、トヨタ自動車株式会社、日揮株式会社、日産自動車株式会社、株式会社日立製作所、福岡県警察科学捜査研究所、フューチャーアーキテクト株式会社、三菱重工業株式会社 (五十音順)